2013年4月12日金曜日

Respect For 来家

何だか、二三日ブログ書かない間に、世の中えらい事になっている。

北朝鮮がミサイル飛ばす。
核汚染水の漏洩
中国で鳥インフルエンザで人死んでる・・・

ニュースでは『また、非常時になったらスグにお知らせします』だって、
この三つだけでも非常時になった時にはもう遅い訳で、私の耳にはテレビのアナウンサーの言葉
が洒落にならないブラックユーモアの様に響きました。

本当にDO THE RIGHT THING でお願いしたいです。

書くとそれぞれに長くなる話題なので、今日は別の話題を書きます。
NEWS以外、TVを殆ど観ない私が割とよく見るのがNHKのドキュメンタリー番組です。
昨夜も『アスリートの魂』という番組で来家恵美子という女子ボクサーを観ました。
(以下NHKのホームページより抜粋)

長年、日本の女子ボクシングを引っ張ってきた来家らいか恵美子選手。
彼女にとってボクシングとは、“生きること”。
3歳から児童養護施設で育った孤独を癒し生きる喜びを与えてくれた。
強烈な右ストレートを武器に世界タイトル3階級を制覇。
彼女に憧れてプロ入りした若手も多く、
女子ボクシングの存在を世に広めた最大の功労者となった。
そんな来家選手も37歳。肉体のダメージは大きく周囲から引退を勧められた。
それでも、リングの上が唯一自分の生きる場所だと現役にこだわり続ける。
一戦一戦を、生きる場所をかけて挑む来家選手の生きざまを見つめる。


という様な内容でした。結論からいうと感動して何度も涙し、勇気をもらい、己の居ずまいを正す思いになりました。下手映画や舞台数十本観るより、私にとっては観るに値する番組でした。

私はプロレスラーの息子だからかも知れませんが、
昔から『秀でた身体能力』を持つ人に関しては、まず無条件でリスペクトします。

身体は嘘をつきません、訓練したら、しただけの事はその人の身体に現れます。
その為にはその人はある時期、自分を律し、様々な誘惑に打ち勝ち、
ひたすらその技術の習得の為、自分の人生を費やすのです。
それでなければ、ダンスやスポーツや格闘技の技術など身につきません。
まして世界レベルとなれば。

来家さん、然り。
でも、彼女はもう37歳。現役としてはもう限界の年。
身体はすでに悲鳴をあげ、心が何度も折れそうになっても
自分の孤独を癒し、居場所を作ってくれたボクシングのリングに命をかけて挑み続けている。

インタビューでも不器用な彼女はカメラに媚びを売ることもなく、とつとつと自分の思いを語ってゆく
ボクシングに明け暮れ、他のこと等どうでもイイとばかりに散らかった部屋で、孤児だった彼女が、
最近、趣味になったパンづくりをし、自分の口に運びながら。

『年ですから、家族欲しいなって思います。でも、そこに行くには今はまだボクシングをやらないと
ダメだと思っていますから』

ジムでのトレーニング風景、トレーナーからは『一回でも負けたら引退』と宣言され
長年酷使した拳は試合三日前に異常発生、痛み止めの太い注射の激痛に喘ぎ
試合はギリギリの判定勝ち、最後のインタビュー涙をこらえながら

『怖かった、負けたら引退だから、怖くて、手が出なくて・・・・』

パンチを浴びて変形している顔をぐちゃぐちゃにして、タオルで涙を拭きながら話す。
決して美人とは言えない彼女。
でも、見目麗しく、程よい演技をして、悦にいっている女優や俳優より
彼女の方が何倍も人として、そして人前に立つプレイヤーとして
美しく見えるのは私だけでしょうか?

並の役者は人として敵いませんよ、来家さんの様な人間には。
お互いちゃらい事は止めましょうね。本物になりたいなら
演技において、何がちゃらいか判らない人はもっと勉強して下さい。
技術だけの問題じゃないんです。
そのモノに向かう姿勢は演技にも必ず出ますから






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