2013年6月7日金曜日

呼ばれて飛び出る日本人体質

『奇跡の林檎』という映画が上映されるようです。
ノンフィクション、ドキュメントドラマに近い映画のようで、
木村さんという青森の林檎農家の方がモデルになっています。

今日、木村さんのインタビューを見ました。

木村さんは " 奥さんが農薬に対して弱く、皮膚がただれたりする " 事を可哀想に思い
無農薬の林檎を作ろうと一念発起。
しかし現在の林檎は色々と品種改良されていて、農薬なしでは害虫がつき栽培が難しい。
無農薬にした途端、害虫にまみれ、花が咲く事はなく、
収益があがらない為、借金は増える一方。
様々な事情から村八分状態。道で人に会っても挨拶もされず、

『木村はそのうち自分の林檎の木に首括って死ぬぞ』

と言った陰口までたたかれ、
一時は死をも考えるまでに至り…やっと主たる原因"土の中"に目覚めます。
新しい農法を試して苦節十一年。木村さんのリンゴの木は待望の花を咲かせました。
今では注文が殺到、木村さんの農法を学びたいという人達もいるそうです。

Q)さてここで問題です。
  農薬を使わない、人にも地球にも優しい林檎を作ろうとした木村さんは
  何故村八分になったのでしょうか?

えっ?あぁ、皆さんよく日本人を理解していますね。
そうです。
『日本人体質』です。

日本人は概して『維持』を好んで『変化』を好まないという所があります。
ツルむ事で安心を得ている為、変化しょうとする人間を憎悪したりします。
憎悪というのはオーバーに聞こえるかもしれませんが、
人は自分の安心と安定の維持を妨害する者や、自分の利益に損失を与えるような者は
憎悪し、攻撃してく事が多々あります、ポリシーなき拝資本主義体質の方達は特に。

現状が危機的状況にある時は変化に向けて進もうとする人間を受け入れても
現状が安定している場合、変化に向けて進もうとする人間は拒否される。

木村さんのケースで言えば
『農薬使って、美味しい林檎がたくさん採れてるのに余計な事しやがって』
っという具合に、日本のここかしこでよく見聞きする現象です。

現状を維持する事にしかフォーカスのない人間は、ハッキリ言ってそこ止まりです。
自己保存本能だけが働いていて先が見えていない、というか見える能力がない。

でも変化する人間は、本人が意識しているしていないに関わらず、
より良い未来を見ようとしているし、どんなに犠牲を払ってもそれに向かって行動する。

私が今までお付き合いさせて頂いた一流のアーティストやプレイヤーの人達も然り、
常に『変化』を求めていました。

そんな人達を友人達が
『凄いね、あの人ぐらい有名で、お金も持ってるとああなれるんだね』
ってな事を言うと

私は決まって
『違うよ、ああいう人間だから一流になるんだよ』
といつも応えてました。

私はその人達みたいに地位も金も(はたまた才能も)大してある人間ではありませんから
少しでも『変化』について語り始めると、村八分にこそなりませんが
そりゃもう風あたりが強くなります。

『いいじゃない、今のままで』
『上手く行ってるのに何が不満なの?』
『維持することも大事なんだから』等など

私にとって現状がいくら上手く行っていても、
その『維持』だけに生きることは苦痛です。
人間は宇宙や他の生命と同じ様にこの世界を守り、存続させる為の進化・発展を
余儀なくされていると思ってますから。

だからいつも『変化』とはお友達。
『変化』を恐れないし、『変化』しょうとする人を恐れる事もない。

だから提案です。
どうぞ皆さん、周りに現状が上手く行っていても
『変化』しょう、させようとトライしてる人が居たら
受け入れなくてもいいから、憎んだり、コケにしたりしないであげて下さい。
もしかしたら、その人達はあなたがまだ見えないものが見えている人かも知れませんから。

木村さんの風貌は60代にも関わらず、すでに80代と思えるような
深いシワが顔に刻まれています。
歯のないその口元を子供の様にほころばせながら
『私がエライんじゃない、私の周りにいた家族が偉かった』
と苦労した十年を共に耐えた家族を敬う言葉がその口からは発せられました。

木村さんが確立した無農薬・無施肥の栽培方法は不可能とされてきたことで
弘前大学の杉山修一氏に『おそらく世界で初めての事』と評されているそうで、
日本人体質のいい所は『和』チームワーク、みんなが習って世界に冠たる
『無農薬農業大国』になったら素敵だなぁ・・・





2013年6月4日火曜日

Do the right thing 8 『映画製作費不正受給問題』について

『復興支援金』の不正使用問題が、ニュースで報じられていた。
まぁ、『復興支援金』に限らず、税金や公的なお金が何だか訳の判らん事に使われるという悪政はいつの時代でも、どこの国でもあるようで・・・

政治に限らず、私の世界『 THAT'S Entertainment  :  THE GEINOUKAI 』でも
日常茶飯事の悪事です。
特に・・・映画の世界。
今日も二人の映画プロデュサーの方と脚本の打ち合わせがてら、そんな雑談となりました。

映画はとにかくお金がかかる。その為プロデューサーは資金集めに奔走しなくてはなりません。
で、集まった制作費をその映画の制作(脚本料・監督料・スタッフ料・出演料等)
及びポスト・プロの宣伝費等に分配し、映画という一つのBIGイベントを遂行する訳です。

しかし、今、日本の映画制作会社は何処も台所事情が大変。
前の映画の赤字を次の映画の制作費で埋めて、また赤字出して、次の制作費で埋めるという、
自転車操業の現場も多いようです(本当に皆さん大変な思いをされて、お気の毒です)。
それでも、やり続けるのは『モノ作り』の魅力と
『一発当たればデカイ』というギャンブル精神ですかね。
実際、日本映画界の黄金期は、
『一本映画やったらプロデューサーは一軒うちが建った』なんていう
嘘かホントか分からないような話もありますから。

で・・・ここからが悪事についての雑談になりますが・・・
そんなこんなのハードな映画製作状況の中で、前作品の赤字部分の補填をするならイザ知らず、
制作費の名目で集めたお金をとっとと自分のポッポに入れてしまうひどいプロデューサーが・・・
業界では『映画ゴロ』と言われる人達。

映画ゴロと言われるプロデューサーの現場では、只でさえ低い低予算の一部は
彼らのポッポに入る為、制作費は更に低予算になり、
作品の為にかけられるお金は当然減り、必然的に作品のクォリティも下がり、
駄目な作品がまた世の中に一本増えるという訳です。
スタッフや俳優は一生懸命、安いギャラでやっているというのに・・・・

映画ゴロの人達は、
最高の映画、当たればデカイ映画を作る事を夢見ているギャンブラーではなく、
自分の生活費と飲み代の為に製作費を集めているので、
作品のクオリティが下がったって何ともない訳です。

『復興支援金』に関しては、税金を使ってるだけに
これから少しは国の規制が厳しくなるかも知れません。
どうにか映画界の方も規制が厳しくなって、自分のポッポに制作費入れちゃう
『何考えてるの?』のプロデューサーが居なくなって、少しでも日本映画のクォリティが
上がって『日本映画復興』して欲しいなぁとニュースを見ながら思っていました。

Do the right thing, MAN!!