2013年5月10日金曜日

矢沢永吉から考える " カッコイイ俳優 "

『矢沢永吉はなぜ錆びなかったのか・・・』

ご存知、還暦を越えた永ちゃんのNEWリリースのキャッチ・コピー。
皆さんも街でポスターを目にしたことがあるかも知れません。

私は若い頃より『矢沢永吉』という人の日本での在り方に興味を持っています。
それは何故かというと極めて日本的ではないからです。
欧米であれば強烈に自己を主張して、のし上がって行く人はたくさんいるのですが
日本では稀です。永ちゃん本人も30年前に言ってますが

『芸能界は勝てば官軍でしょ?俺だって今売れたから、みんな話聞くけど
 そうじゃなかったら「ダメだアイツ我が強くて」で終わりだよ』

その通り、芸能界は全て結果論で動いています。
どんな形でも売れたら天下の日本芸能界。
今のテレビを観てると皆さんも分かると思います。

でも、矢沢の永ちゃんは『どんな形でも』は嫌だった
自分がカッコイイと思える形で売れたかったし、他人任せにしなかった。
何十年も常に自分で自分自身をプロデュースし続け、
有名な『成り上がり』(糸井重里著)も出版し、
遂には、矢沢永吉という人間の生き方や考え方まで、
その商品のセールスポイントとしてしまった。

あるNHKの公開討論会で、永ちゃんがミュージーシャン志望の若者の質問に
指をパチンと鳴らしながら

『君、それがわかったらYAZAWAになれますよ』

コレは滅多な人間には言えません。特に日本ではね。
『まぁまぁまぁ、なぁなぁなぁ』のお国柄で
出る釘は打たれますから・・・
よく持ちこたえたなぁ矢沢さん
こんな事もインタビューで言っています。

『矢沢はこれからも一所懸命、カッコイイ曲作って、スゲーッ、コンサートやって頑張る。
 だから気に入ったらCD買ってね、気に入ったらコンサート来てね、
 でもその為にみんな(客)に合わせる矢沢にはならないからね』

お見事です。表現者としての主体をキチンとお持ちです。

故に『矢沢は錆びつかなかったのです』

話変わって、永ちゃんと同じ頃
一世を風靡していたフォ-クソング
HITしたかぐや姫の『神田川』
風呂もない三畳一間のボロアパートに同棲している男女が
一緒に銭湯に通ったりしている・・・

一節

『あなたは私の指先見つめ、悲しいかい?っていったのよ
 (中略) ただ、あなたのやさしさが怖わかった~♪』

『ななっ?なんじゃこりゃ??女にしか価値観を見いだせない男の歌か?
 こんな男、やさしくもクソもない、ポリシーも甲斐性もない只のクズだッ!』

と生意気にも高校生の私が思っている時に、
『RUN&RUN』という自己プロデュースビデオの矢沢さんの一言

『フォ-クソング?アレさぁ女々しい男のコーマン(失礼)ソングだろ?』

ハイ、恐れいりました。
その時から、楽曲はともかくとして、私はYAZAWAがJAPANで
どこまでやれるかに興味を持っています。
まるで、天然記念物を観るような思いで・・・・

日本がグローバル化を本当に叫ぶならば
YAZAWAの様に『生き方』や『考え方』で勝負出来るアーティストが
芸能界にもドンドン出て来て、それを称賛する環境が出来なければダメだと思います。
私自身もクリエイターやプレイヤーとして一生精進の旅を続けると共に
トレーナーとしても、『生き方』や『考え方』がカッコイイ俳優を育成したいと思っております。

『キツイ旅だぜ、お前にわかるかい?
 あのトラベリング・バスに揺られて暮らすのは
 若いお前はロックン・ロールに憧れ、産まれた街を出ると言うけど
 その日暮らしが、どんなモノなのか、判っているのかい?
 ルイジアナ・テネシー・シカゴ・遙かロスアンジェルスまで~♪』

矢沢『トラベリング・バス』より






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